8ヶ月で頓挫した中共の思惑 ネパール

Ci090505183628 Ci090505171930   2008年に240年間続いた王制を廃止し、2008年8月から連邦共和制に移行したネパール共和国が1年を待たずして行き詰った。いずれはとは思っていたがなんとも早い行き詰まりだ。ネパール国内第二党ネパール会議派選出のラム・バラン・ヤダブ(Ram Baran Yadav)大統領以下、プラチャンダ首相(一部でダハール首相との記述もあり、同一人物)と与野党から選出された15人の閣僚が政府を構築していた。第一党は首相を輩出したネパール共産党毛沢東主義派で、当然だが中国との関係が強く派と呼ばれる。日本国内の記事では全く内容がつかめないので下に書き直す。

発端は、3日、カタワル参謀長が、敵味方で内戦を戦った毛派兵士1万9千人の軍への編入を「共産主義思想に教化されている」ことを理由に拒み続けたため、毛派の首相が参謀長解任に踏み切ったことによる。内戦時期には軍隊と毛派が衝突を繰り返した事から、参謀長としては当時のゲリラ(民兵)を軍隊に入れることは出来ないとしたのだろう。毛派の首相(元は共産ゲリラのリーダーでかなりの人間の殺害を指揮した)は体面が保てないので参謀長を解任。ここで大統領が登場、形式的な立場であるにもかかわらず首相の参謀長解任を取り消した

9747720131 この結果、首相は4日突然辞任を表明し、1年を待たずして毛派主導のネパール連立政権は崩壊した。国内的には軍隊編入の遅れなどから毛派が各地で暴力事件を起し、軍隊も編入に反対していたいきさつがある。今後は大統領が第二党から首相を選出する可能性が高く、良くて選挙のやり直し、悪くすれば内戦の勃発、軍のクーデターによる王政復古につながりかねない情勢だ。

当然、中国の意向に背いた大統領に対して中国が圧力をかける。どこまで露骨に介入するかが注目すべき点だろう。場合によっては大統領暗殺だってありえる。なんせ中国の情報筋がたっぷり入国していますから、、。さて、孤立した毛派がどう出るか?何より迷惑なのは国民だろう。こんなに政権が不安定では、、。写真右はヤダブ大統領、左は辞任したプラチャンダ首相、毛派(マオイスト)は抗議行動を表明しているので大規模なデモと治安部隊との衝突が予想される。

ちなみに、毛派主導の政権になってからは露骨に反中国的行動を取り締まり、チベットからの難民に対して取りしまりを強化し、逮捕、拷問したと報道されている。形だけの共和国で、実際は中国の属国でしかなく、隣のブータン、下のバングラデッシュと並びアジアの最貧国のひとつだ。インドは水利権の問題、国境問題、さらにはインド北部で毛沢東主義派がテロを起すなどで、ネパールが中国化することを嫌っている。日本はかなりな資金援助を毎年しているが、結果的にネパールの共産化を後押ししているのであれば、アジアの安定のためにマイナスにはならないか?どこのマスコミもこの辺を書き込んでいない。

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One Comment

  1. ヨリババ
    Posted 2009年5月9日 at 5:54 AM | Permalink | 返信する

    昔、「カトマンズの恋人達」って映画をみたのを、思い出しました。景色が美しい国なのに…

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