米国の台湾へ武器輸出の「なぜ?」

c070301_01 米政府は2010年1月29日、台湾に対し総額64億ドル(約5800億円:売却する対象は、弾道ミサイルを迎撃するPAC3のミサイル114基などシステム一式(28億ドル相当)のほか、強襲用の多目的軍用ヘリコプター「UH―60 ブラックホーク」60機(31億ドル相当)、対艦ミサイル「ハープーン」など。)の武器を輸出する方針を決定、米議会に正式に通告したと発表した。オバマ政権による初の判断で、対台湾政策について前政権を継承する姿勢が鮮明になった。中国は強く反発、米インターネット検索大手グーグルをめぐるネット検閲問題で悪化する両国関係に影を落とすのは必至。 米側の輸出決定を受け、中国外務省の何亜非次官は「強烈な憤慨」を表明、米中関係に「深刻な否定的影響を及ぼす」と警告した。

オバマ大統領は、積極的に経済交流、さらに軍事交流まで中国と進める中で台湾への武器輸出を決定した。台湾にすれば、中国との経済交流が活発する中で、目の前の海峡でミサイル実験を繰り返す中国に対抗し、防衛兵器を買い入れるには正当性がある。間違っても、防衛兵器を中国から購入などありえない。台湾の米国への要求には戦闘機や潜水艦も在ったが、さすがに米国は中国に配慮してかこれを承認せず、防衛ミサイルなどに絞っている。

先に露骨な軍事演習などで台湾を刺激しておいて、中国の言う「強烈な憤慨」にはばかばかしさを感じるが、米国がなぜ米中関係の悪化を招きかねない台湾への武器輸出を決定したのかは報道には見えてこない。大きな疑問「なぜ」が説明されていない。

米国を敵対視する国は多いが、近いところでは南米のベネズエラがある。米国に言わせれば「狂ったチャベス大統領」が、露骨に反米路線をとっている。この国は、親米国家コロンビアの反政府組織でコカイン製造、密輸で有名なゲリラコロンビア革命軍 (FARC)にも武器を供与している。ここに中国製の武器が見え隠れする事が「なぞ」解きの鍵ではないだろうか?中国は過去にも、国連決議を無視してアフリカのスーダンなどにも武器輸出をしている。 中国のベネズエラ接近の狙いは豊富な石油資源ですでに開発に着手している。

2007年のアメリカ議会調査機関によると、「南米諸国で繰り広げられている軍拡は、非常に懸念されるもので、特に、ベネズエラの大量の兵器購入は周辺国の軍拡を刺激しかねない。」と発表

2008年に、ベネズエラは中国からの武器購入が総額100億ドルを突破したという。これは、5年前の7億4200万ドルと比べ、13倍の増加になる。ベネズエラの軍備増強は中国の供給なくしては不可能だ。

2009年2月:中国はベネズエラから今後200年にわたって中国が必要とする石油の供給を受ける利権を取り付けている。

2010年1月に中国製K-8訓練戦闘機が配備されるとベネズエラ国営ニュースが報じ、ベネズエラ軍ヘスース・ゴンザレス大将は、「最低でも24機のK-8訓練戦闘機を購入する予定だ」と話したというから、本格的な空軍の誕生も時間の問題だ。

見える事実だけを並べても、なんとなく「武器の密輸出」「ベネズエラ支援」を止めろという米国の中国向けの声が聞こえてくる。アメリカを敵対視する国に武器援助するなら、中国の軍事的脅威を感じている台湾に正規にほしい分だけ売ってやろう、、。こう見えるのだが、これが外交というもので、軍事大国間のバランスのとり方だ。ベネズエラは強固な反米路線をとりつつ、南米の反米陣営であるボリビア、エクアドル、ニカラグア、キューバ反米的なロシア、中国、イランに対し密接な貿易関係や軍事関係を築き上げて友好的政策を取り、中でも中国はすでにベネズエラから2009年2月に、今後200年にわたって中国が必要とする石油の供給を受ける利権を取り付けている。今後、アメリカにとっても、他の南米諸国にとっても、ベネズエラの軍事強化を伴う発展は大きな問題を含んでいて、南米の資源開発に遅ればせながら動き出した日本にとっても大きな問題だ。参考過去ブログ:南米にリチウム求める日本

2 Comments

  1. ニコラス
    Posted 2010年1月31日 at 12:11 AM | Permalink | 返信

    経済発展を遂げた中国の南米への台頭は今後間違いないと思いますね。よくない事が起きない事を祈りますね。

  2. よりばば
    Posted 2010年1月31日 at 11:42 AM | Permalink | 返信

    そういう裏事情なんですか。単純な私は、ノーベル平和賞は 何なの?と思いましたが、国際情勢は複雑なんですね。

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