⑪メキシコ湾 BP原油流出の切り札になるか「A Whale:クジラ」

Ci100704095629 Ci100704093415 米南部メキシコ湾の原油流出事故で、台湾企業が保有する原油回収および海水との分離装置を内蔵する世界最大級の巨大タンカーthe world’s biggest oil skimmerA Whaleを使って、海上の原油をすくい取る作業の試験が2010年7月2日、始まった。成功すれば、油で汚れた海水を1日当たり50万バレル(約7950万リットル 原油は現在1日当たり推定最大6万バレル流出。)処理できるようになり、流出現場の採掘権を持つ英メジャー(国際石油資本)BPと米政府も、回収作業の“切り札”として期待を寄せている。

Ci100704093554 Ci100704093609 この巨大船は台湾の船会社TMTグループが保有し、全長約340メートルで、高さは10階建てビルに相当。海水から原油を分離し、浄化した水だけを海に戻す機能を持つ船 skimming ship という。同社はタンカーを自社の出費でポルトガル・リスボンで改造し、メキシコ湾まで独自に航海。米政府とBPに売り込んでいた。回収作業を指揮する米沿岸警備隊と環境保護局(EPA)による試験に合格すれば、BPまたは米政府がTMTグループと契約し、本格活用する見込みで、すでにルイジアナ州ミシシッピ川河口に試験の為停泊中。

ap_whale_boat-100701_mn  漂流する油のすくい取り作業は現在、漁船など550隻を投入しているが、「とても追いついていない」との批判が上っている。今年初のハリケーンとなった「アレックス」による暴風で、油はさらに広範囲に拡散し、作業も一時中断していた。巨大タンカーの海水浄化機能が証明されれば、作業は飛躍的に進むため、米政府も「大きな希望」(アレン沿岸警備隊司令官)を持って注視している。一方で有効性を認めながらも、過去の1989年アラスカ沖エクソン・バルティーズExxon Valdez号座礁での原油流出(24万バレル流出)にも同じようなタンカーは使われ効果があったが、今回は比較できないほど流出範囲が広大な事から楽観視は出来ないとする意見もある。 写真中断左は船の横にあいた吸い込み口と船内の海水と原油の分離装置。タンカー映像含む参考記事  現代のハイテククジラに汚染を飲み込ませるこの方法、成功してくれると良いのだが、現地はすでにハリケーンシーズンに突入した。恐らく大量の海水を汲み込んで喫水を下げ海上の原油を吸い込むのだろうが、海上が荒れれば難しいような気がするのだが、、。同種のタンカーは他に2隻待機中との記事もある。それぞれB Whale, C Whale。すでに400万バレルが海中に放出されたとみられ、1991年湾岸戦争時ペルシャ湾の史上最悪の原油流出(最大で400万バレル)をしのぐは確実と思われる。  以前の経過 これ以降の経過:流出の原因

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2 Comments

  1. よりばば
    Posted 2010年7月4日 at 9:17 AM | Permalink | 返信する

    こんな切り札があるのに、「回収作業を指揮する米沿岸警備隊と環境保護局(EPA)による試験に合格すれば…」なんてのん気に構えててどうする!「ハリケーンシーズンに突入した」ではないか!環境に悪い薬品は、ジャンジャン使ってるのに。ダメもとで、早く実行あるのみ。

  2. 高志
    Posted 2010年7月7日 at 9:07 AM | Permalink | 返信する

    表面の油膜を吸い取るには有効だろうが、原油の大部分は中間層の海流に乗って拡散しているというから、先は暗いな。硫化水素やベンゼンといった有毒ガス対策も、急がなければならない深刻な問題だ。ハリケーンや地震などが来ようものなら、油の雨は降り注ぐし、踏んだり蹴ったりの悲劇となる。

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