⑬アメリカは原油流出の原因を知っている?

well ビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領は2010年6月28日、出演した米テレビ局CNNの番組で、メキシコ湾(Gulf of Mexico)でのBP施設の原油流出事故について、リリーフウェルによる流出阻止が失敗した場合は、海軍が出動して油井を爆破しなければならないかもしれないと語った。 クリントン氏は、「これは地質学におけるモンスターだ」「とんでもない油井だ。あの地下には大量の原油が眠っているんだと思う」と語った。クリントン氏は、最も重要なのは流出を止めることで、、、 現在掘削が進んでいる2本のリリーフウェルの効果について懸念があるかとの質問に対し、クリントン氏は「ある」と明言し、油井の爆破も「必要になってくるかもしれない」と語った。

右の図は現在8月を目どに進んでいる2本の予備坑道(リリーフウェル:黄色、ここから異物を注入しパイプを塞ぐ予定)の略図で、海底まで約1500m、噴出パイプとの合流点は1万8千フィート、約5400mの深度にある。原油層は更にその下だ。

上のクリントンの「とんでもない油井だ、、」は何を意味するのだろう?彼の発言は地質学的な大きな問題を指摘しているようだ。

(超高圧と油井爆発の関係)今回のメキシコ湾の油井は、掘削深度が深い超深度油井である。こうしたものの最初のものは1970年代に旧ソビエトが開発した「コーラSVG2」と呼ばれる油井であった。この油井は1280メートルまで掘削した。しかしこの深度では圧力が極端に高くなりコントロール不能となることが分かった。一方、今回の事故を起こした油井の掘削進度は「コーラSVG2」よりも深い。むろん圧力もこれまで以上に高い。以下が圧力の比較である。平均的な油井の圧力  1500psi メキシコ湾油井の圧力 20000~70000psi メキシコ湾の油井の圧力は平均的な油井の15倍から45倍の圧力がある。

BP内部の情報によると、油井の掘削がある深度に達したとき、急に圧力が増しコントロール不能な勢いで原油があふれ出した。原油の爆発的な噴出で、掘削機に設置してある安全装置はすべて壊れ、いまの流出につながったという。掘削機にはいくつかの安全装置が取りつけれれているが、その最後のものは「フェイルセーフバルブ」と呼ばれる装置だ。原因の一つに、現場の責任者は作業員から「(高圧により)フェイルセーフバルブが壊れつつある」との報告を受けていたにもかかわらず、時間がないのでそのまま掘り進むように命じたため、原油の爆発的な噴出につながったと言われている。(この事実は通信記録として残っているそうだ)

abiotic-oil (原油は枯渇しない、つまり噴出は止らない)衰えることなく高圧で噴出し続けることの推論の根拠が石油の誕生に絡む、最近注目されている無機成因論 石油無機起源説で、これは従来言われて来た、植物など有機質が地下で高圧などで石油化した事を否定するものだ。これで行けば石油は今も高温、高圧な地球内部で造られていると言う。更に、さまざまな色の泥が勢いよく吹き上げられている。これは、採掘が原油の無機的な生成が行われている高温・高圧の層にまで達してしまった可能性が大きいことを示していると推論でき、今回の災害の根本に、BPはここを掘り当ててしまったとする説があり、これなら幾ら噴出しようが半永久的に原油流出が止らない可能性がある。クリントンの言う「とんでもない油井、、」とはこれを指しているのではないだろうか? 参考記事:生物由来の石油精製を否定する記事:英文

以上はインターネットで入手できる情報でまとめた事実と推論です。 

2010年7月6日:BPは7月5日、原油流出事故の処理費用がこれまでに31億2千万ドル$3.12bn(2738億円)に達したと発表。先月28日の発表では26億5千万ドル $2.65bn。この1週間で約5億ドルの支出増になった。流出原油の回収作業や、被害を受けた州政府・漁民への補償などを合計した費用。被害補償については、これまでに約9万5千件の請求があり、4万7千件分以上、計1億4700万ドルの支払いをしたという。大型原油処理タンカーの試験結果は5日にも発表される予定だったが、現地のハリケーンによる天候悪化で作業は遅れている。

2010年7月10日:BPは10日から海底の破損油井に付けた漏出防止キャップの交換を向こう4日から7日間で完了の予定で 開始すると公表した。(このキャップ交換作業のため、一時的だが全量が海中に流れ出る)この交換が成功すればキャップから噴出原油を100%海上の原油回収タンカーに送り込みができ、1日当り8万バレルが回収できるという。現在公表されている海上への原油回収量は2万5千バレルで、いつの間に推定総噴出量が8万バレル(恐らく最大値)になったのか不思議だが、学者の間ではすでに6万バレルが定説になっている。この事故発生直後のBPは噴出量を1日当りわずか24バレル(1000ガロン)と言っていたのですから、BPの公表値の信ぴょう性には常に多少疑問が残ります。8月中の予備抗の深部での作業も前倒しで検討しているそうですが、大きな失敗の無いように祈るしかありません。エンジニアは楽観的に成功を信じていると報道にあるが、個人的には安全装置さえ破壊した高圧での作業がそれほど簡単だとは思えないのだが、。

米国は現在採掘中のものも含め深部での石油採掘に規制措置を検討していますが、これが実現すれば石油価格は相当高騰するでしょう。推論とはいえ、世界規模の影響は回避できない状況が見えてきました。

20107131503094734_3 2010年7月12日:BPは高さ5.5m、重さ40トン(別報道では75トン)ある Top Hat 10 と呼ばれる新しいキャップの設置に成功したと発表。13日からは6時間から48時間かけて圧力テストを行う。右が新しいキャップで、交換作業中洋上に一時海底からの噴出原油全量が放出されたが、回収船を大量に投入して拡散を防いだ。米国内務省は12日深海での油田掘削を11月30日まで凍結する事を決定し、同時に今後きびしく安全性の確認が要求される。

2010年7月14日:キャップ設置後の報告を待っていたが14日 National Incident Commander Thad Allen 国際事故指揮官タド・アレン氏から、学者らによる情報分析の結果からキャップのバルブ(開閉装置)を閉める作業は延期されたと発表があった。詳細が無いので不明な点が多いが、新しいキャップ装着後に、付属の3個のバルブを閉めて噴出原油を海底で遮断できるかどうか試験するはずだった。もし高圧などで装置に危険がある場合はバルブを閉めずに付属のパイプで原油を海上に送り出して100%噴出分を回収する計画だったが、どうやら慎重にならざるを得ない何かの問題があるようだ。ある憶測記事には、40~75トンもある新しいキャップの重量に問題があると書いているが、真相は不明。 これ以降の経過 以前の関連ブログ:巨大原油回収タンカー

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One Comment

  1. よりばば
    Posted 2010年7月6日 at 6:08 AM | Permalink | 返信する

    と言う事は、他の油田の状況はどうなんでしょうか?圧力低下はしてないんでしょうか?心配…。

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