アフガン戦争、英軍一時撤収、ヘルマンド州サンギン

Ci100707184848 アフガン南部Helmand州北部Sanginでタリバン掃討作戦中の英軍が2010年7月6日、人的被害の大きさから一時的に南部に撤退すると発表した。既に2001年からの累計で312人のアフガン英軍戦死者の内、99人がこの地域で亡くなり、ほとんどがIED(手製地雷)によるものだ。この地域はコカインの原料になるケシの栽培も盛んで、これがタリバンの資金源と言われ、渓谷の多いこの辺で戦死者が多いことから英軍はこの辺を「死の谷Valley of Death」と呼んで忌み嫌っている。

米軍が早々と対地雷装甲車SNN07TRUCKS-682_1080113aMRAPを投入しているが、英軍の車両ははるかに見劣りする間に合わせの改造車で、こ の地域での作戦開始頃から車両の対地雷防御の脆弱さが懸念され、英軍の指揮官は更に十分な台数の 無いことも指摘していた。英軍指揮官は撤退は一時的で、米軍の支援を受け再攻撃すると発表。英軍は今年いっぱいでアフガンから撤退予定だが、国際軍の作戦は全体的に予定より遅れている。過去ブログ:英米の対地雷装甲車など (英軍も指摘しているが英軍のMRAPは余りに大型すぎて山の中では進軍が不可能。平地用の改造車の欠点が作戦に影響している)被害の大きさは米軍も同じで、主にカンダハールを包囲している米軍は先月6月はアフガン戦争開始以来最大の戦死者を出Ci100710132659している。姿の見えないゲリラとの戦闘はどんな軍事訓練も意味を持たなくなる。これ以前の関連ブログ

2010年7月7日:英軍はサンギンの治安権限を米国に委譲し2010年末までに1000人ほどをヘルマンド州(右図で茶色)中部に異動すると発表。英軍は2009年イラクのバスラでも撤退している。右下地図は英軍撤退前の米英の治安防衛位置で、今後赤い部分が米国担当地域になる。米英の作戦はタリバンをカンダハル周辺の平地に追い詰めて包囲した上で相当な空爆攻撃と言う計画だろうが、タリバンは全面決戦を避けて時間を引き延ばす作戦のようで、これは以前のソビエトとの戦争の状態とほとんど同じに見える。その時はソビエト軍が逆にカンダハルで包囲され壊滅しそうになった。当時ソ連は2000万個以上の地雷を敷設したと言われ、その一部がいまだに残っていたりタリバンに再利用されたりしている。

2010年7月10日:アフガン南部カンダハルKandahar in southern Afghanistan市内の商業地域にあるコンチネンタルホテルContinental Hotelの駐車場でバイクに仕掛けた爆弾が破裂し1名が死亡、7名が負傷、これと前後してNATO軍兵士5名がが近郊での交戦で死亡した。被害は少ないものの、警戒厳重な市内中心地までタリバンが入り込めることがこれで分かる。このホテル付近では昨年12月にも爆弾で8人が死亡している。ここには常時マスコミ関係や海外からのビジネスマンが多く宿泊している。同じ日にアフガン東部では米兵一人か交戦で、一人が地雷で死亡し、今月に入って23人目の米兵死亡者となった。先月は国際軍103名がアフガンで死亡し、そのうち60名が米兵だった。2001年から2010年7月10日までのアフガン紛争(Afghanistan, Pakistan and Uzbekistan)での米軍戦死者は1079名に上り、米英Nato軍混成の国際軍側の戦死者が今までで一番の増加傾向となっている。

広告

2 Comments

  1. よりばば
    Posted 2010年7月8日 at 12:52 AM | Permalink | 返信する

    「姿の見えないゲリラとの戦闘はどんな軍事訓練も意味を持たなくなる。」あのベトナム戦争で、アメリカは何も学び取っていないのでしょうか。ゲリラ戦の恐ろしさは身にしみてるはず。温存策など甘ちゃんの考えで、壊滅しか選択肢がないのでしょうか?

  2. kako
    Posted 2010年7月8日 at 2:09 PM | Permalink | 返信する

    ゲリラを一掃することは 無駄だとわかってるはずでしょうに 英国も米国も 国の威信のためだけに戦闘を続け 未来ある若者の命を失うだけ

コメントを投稿

Required fields are marked *

*
*

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。